ファイル DXCC.MDについて


海外コンテストのDXCC Entityの検出用ファイルです。(国内コンテストでも海外とQSO有効なものは使用しています)
本ファイルは、公開されているcty.datデータをCTESTWIN用に変換したもので、QSO相手局のコールサインから、Entity, 大陸,CQ zone, ITU zone, 国名を抽出するのに使用します。

本ファイルは、CTESTWINにある機能で自動生成することもできます。
(cty.datは、頻繁に更新されていますので、ご自身でデータをダウンロードして、最新のDXCC.MDをつくることができます)

注:本ファイルは、CTESTWIN V4.58にて、新たに加えたファイルです。従来はDXCCWW.mdおよびDXCCAA.mdという2つのファイルだったものを1つに統合して、かつ内容を充実したものです。従来から相違点をその他項に記載します。

本ファイルの仕様は、以下になっています

1.仕様
(1)基本仕様
 文字はASCIIコードのみです。
 文字列は、6に分かれ、それらはタブコード(0x09)で区切られています。区切りは半角スペース(0x20)でも構いません。
 一番左:プリフィックスもしくは、コールサイン
 2番目:Entity記号
 3番目:得点(JA:0,アジア:1,その他大陸:3)
 4番目:大陸記号 2文字の英字で AS,OC,EU,NA,SA,AFのいずれか
 5番目:CQ zone 2桁の数字
 6番目:ITU zone2桁の数字
 7番目:国名の文字列 ASCIIコード 文字列の最後は改行コード

 プリフィックスは、例えば、JA*のように記述します。*はワイルドカードであることを示します。

(2)WAE Entityについて
 CQ WW DXコンテストなど、一般のDXCCに加えてWAE Entityもマルチとしてカウントできるコンテストがあります。
 具体的には、4U1V,GM/s,IG9,IT9,JW/b,TA1です。
 それらのEntityについては、一般のDXCCと区別できるように先頭に*を付けて、*4U1V,*GM/s,*IG9,*IT9,*JW/b,*TA1と記述してください。

(3)行の並び順序
 検索は、上から順に行います。そのため、ワイルドカードが上にあるとそこでマッチしたと判定して、処理を中断してそれより下の行の比較はしません。

 悪い例:
W6* K 3 NA 03 06 United States
W6XYZ KL7 3 01 01 Alaska
 のような順に記述されていて、QSO相手局がW6XYZであると、2行目に記載のW6XYZと比較する前にW6*との比較がマッチしてしまいます。
 そのため、以下の良い例に示す様に、ワイルドカードは下行にするようにしてください。

 良い例:
W6XYZ KL7 3 01 01 Alaska
W6* K 3 NA 03 06 United States

 サーチを高速化するために、先頭の2文字が一致している位置から検索を開始するようにしています。
 (例えば、南アフリカ ZS1ABC局をファイル先頭から検索すると時間がかかり、効率が悪いので、ZSの位置から検索を開始するようにしています)
 そのため、一番左の2文字はASCIIコードの昇順になるよう、行を並べてください。


(4)最後の行
 最後に以下の記述を入れて、記述されていないプリフィックスの局はUnknownになるようにしてください。(これで比較が終了することを示しています。無いと暴走することがあります
* Unknown 0 ??

(5)記述例

8H* YB 3 OC 28 54 Indonesia
8I9* YB 3 OC 28 51 Indonesia
8I* YB 3 OC 28 54 Indonesia
8J130TAM/JD JD/o 1 AS 27 45 Ogasawara
8J150CB/JD1 JD/m 3 OC 27 90 Minami Torishima
8J1RF CE9 3 SA 39 67 Antarctica
8J1RF/M CE9 3 SA 39 67 Antarctica
8J1RL CE9 3 SA 39 67 Antarctica
8J1ZIU/JD1 JD/m 3 OC 27 90 Minami Torishima
8J60JARE CE9 3 SA 39 67 Antarctica
8J* JA 0 AS 25 45 Japan
8K* JA 0 AS 25 45 Japan
8L* JA 0 AS 25 45 Japan
8M* JA 0 AS 25 45 Japan
8N1AQ/JD1 JD/m 3 OC 27 90 Minami Torishima
8N1OGA JD/o 1 AS 27 45 Ogasawara
8N60HAM/OKA JA 0 AS 25 45 Japan
8N* JA 0 AS 25 45 Japan
8O* A2 3 AF 38 57 Botswana
8P* 8P 3 NA 08 11 Barbados
8Q* 8Q 1 AS 22 41 Maldives
8R1AK/LH 8R 3 SA 09 12 Guyana
8R* 8R 3 SA 09 12 Guyana
8S0UN/LH SM 3 EU 14 18 Sweden
8S6BUA/LH SM 3 EU 14 18 Sweden
8S* SM 3 EU 14 18 Sweden
ZZ8* PY 3 SA 11 13 Brazil
ZZ9* PY 3 SA 11 13 Brazil
ZZ* PY 3 SA 11 15 Brazil
* Unknown 0 ??

2.cty.datについて
コールサインから、Entity,大陸,CQ zone,ITU zone,国名を検索するための公開されている辞書データです。
比較的頻繁に更新がされているため、有効に利用することができます。
CTESTWINでは、高速処理するために、このcty.datをベースにしてDXCC.mdというファイルに変換して使用しています。
cty.datからDXCC.mdへのデータ変換は、メニューの「その他」「cty.datからDXCC.MDファイル作成」で自分で作成することもできます。
cty.datは、コンテスト用のデータ数が少ないものと、Big ctyと言われる一般QSO用にデータ数が多いものが公開されています。
データ数が多いと検索(Entityやzoneの特定)に時間がかかるため、ご自身の使用しているPCの性能や用途に合わせてどのデータを使うか決めてください。
参考までに、コンテスト用のデータをDXCC.mdに変換すると約7,000行、Big cty.datでは、約29,000行になります。(2025年1月時点でのデータ)
CTESTWINに添付しているDXCC.mdは、Big cty.datをベースにしています。

3.検索処理順序
CTESTWINには、CQ zoneやITU zoneがナンバーのコンテストでは、zoneをMyRST欄に自動入力する機能がありますが、最初にパーシャルチェックデータを検索して、そこにコールサインとzoneが記述されていれば優先してMyRST欄に入力します。パーシャルチェックデータになければ、DXCC.mdファイルを検索して自動入力します。
なお、コールサイン入力時にメイン画面の下に検出したEntityやZoneを表示しますが、これはDXCC.mdから検索した結果です。

4.その他
V4.57以前の従来のDXCCWW.MD,DXCCAA.MDからEntity記号が下表に示す様に一部異なっています。今後cty.datのアップデートによっては、更に変わる可能でがあります。

No. 従来の
DXCCWW.MD
新しいDXCC.MD
(cty.datベース)
Entity名 備考
1 CE0A CE0Y Easter Island
2 FR/g FT/g Glorioso Islands
3 FR/j FT/j Juan de Nova, Europa
4 FR/t FT/t Tromelin Island
5 FT8W FT/w Crozet Island
6 FT8X FT/x Kerguelen Islands
7 FT8Z FT/z Amsterdam & St. Paul Is.
8 HM P5 DPR of Korea
9 KH5K - Kingman Reef 消滅
10 - KH8/s Swains Island 新規
11 R1MV - Malyj Vysotskij 消滅
12 TX0 FK/c Chesterfield Islands
13 - VP6/d Ducie Island 新規
14 YU8 Z6 Republic of Kosovo
15 ZK1/n E5/n North Cook Islands
16 ZK1/s E5/s South Cook Islands
17 ZK2 E6 Niue